2016年11月16日

旧七夕会 経済界の華道人コーナーに出瓶して 

池坊最大最古の花展として400年の歴史がある旧七夕池坊全国華道展に
今年は<特別企画>「経済界の華道人たち」というコーナーが設けられ、
御縁あって出瓶する機会を頂きました。

今回は最初に花器を決めました。
調香師・きざし乃様から頂戴した信楽です。
形状が独特なので、花形は自由花となり、花材は森先生と相談をして、
秋らしい枝物と白い清楚な花、そして足下をまとめる草木を軸に何回かお稽古を
重ねてイメージを練っていきました。

 DSC_4425.JPG

花展に際しては、紅葉の具合も枝ぶりも最高のドウダンツツジにめぐりあい、
アマゾン・リリーと水仙、アクセントに花を一箇所だけつけた木瓜、足下は
竜胆とグリーン・トリュフという構成になりました。
まさに花材に恵まれ、まったく迷いなく生け込みができました。

経済界の華道人コーナーが花展の出口手前に設営されていたこともあり、
帰り際の皆様が足をとめて、作品をしっかり見て頂くことができていたように
感じましたし、傍らで耳を傾けていると、表現したかったことがきちんと伝わって
いると思うことが度々ありました。

  DSC_4489.JPG

  DSC_4432.JPG

今回は花展のテーマには「花の力」という言葉が掲げられていたのですが、
言葉を用いずに意味や気持ちを伝えることができるのは、
まさに「花の力」であるように感じました。

二次花展の初日に会場までお運びくださったきざし乃様から
「花の力、いい言葉ですね。
 なぜ 世阿弥さんが『風姿花伝』と花を踊りに例えたのか、と考えています。
 もし同じなのかとすると、信楽に生けられた花々は「妙花風」への「標」しるべ
 なのではと思案しています。」
というメッセージを頂きました。

『風姿花伝』の第七 別紙口伝に
「そもそも、花といふに、万木千草において、四季をりふしに咲くものなれば、
 その時を得て珍しきゆゑにもてあそぶなり。申楽も、人の心にめづらしきと
 知るところ、すなはち、おもしろき心なり。花と、おもしろきと、めづらしきと、
 これ三つは同じ心なり。いづれの花か散らで残るべき。散るゆゑによりて、
 咲くころあればめづらしきな り。能も住するところなきを、まづ花と知るべし。」
とあります。

古語で、おもしろきは「風流である」、めづらしきは「好ましいものである」
という意味だと思いますが、これらと花が同じ心である、と。
そして、花を見よ、と。

信楽に生けた花々が妙花風への標になったのだとするならば、
まさに、それは“おもしろき”こと。
「花の力」を体感できる素晴らしい経験になりました。

高槻亮輔

( ブログ101CARAT 1000回記念寄稿 )



posted by morikadou at 08:00| Comment(1) | 池坊いけばなLuxe リュクス
この記事へのコメント
この度は旧七夕会へのご出瓶おめでとうございました。2日目に拝見いたしました。高島屋会場の掉尾を飾る素敵な作品でした。御家元のある京都でいける花は、格別ですね。見る側としても、同じ社中の方の出瓶を大変嬉しく思いました。
Posted by はななす at 2016年11月17日 22:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: