2018年06月01日

池坊展 経済界の華道人 作品報告

今回、池坊展 東京花展【十人十彩】の「経済界の華道人コーナー」は、
第一会場に入って最初のスペースに4席という驚くべき場所にありました。

受付を入ってからそこに至るまで、諸先達のいけばな作品はひとつもなく、
ご来場頂いた方々の第一印象を決めるとも言える場所に出瓶するということを意味します。

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三次花展では、森社中4名による「自由花→生花新風体→自由花(担当)→生花正風体」という構成で、
コーナー全体の雰囲気も統一された流れのあるものにするという意識を持って取り組むことができました。

会場レイアウトをお知らせ頂く前は、蟲明焼黒色花生に自由花の小品を生けるつもりでいたのですが、
4席全体のバランスも考慮するともう少し大きめでインパクトのある自由花が望ましいのでは、
という助言を森先生に頂きましたので、野々村仁清写硝子白金箔花生に鮮やかな自由花を生けることにしました。

この花器は、友人の調香師である香肆きざし乃さんとのコラボレーションで、
京都御室の仁和寺が所有している野々村仁清作の重要文化財「色絵瓔珞文花生」の洗練された美しいフォルムを硝子作家の馬越寿さんにお見せして、
陶器ではなく硝子器として制作頂いたもので、濃い赤茶色地の硝子に白金箔を施して、文様を浮き上がらせるためにミクロン単位で削って仕上げて頂いたものです。

花器に負けない花材を考えた際に、最初にイメージしたのが青色の紫陽花でした。
本番までの二度のお稽古では、ブラックリーフで大きな面を意識させる構成とアリアムリーキとオクロレウカで遊び心のある線を意識させる構成を検討し、
後者を選択したのですが、このときに青い紫陽花とオレンジ色の姫百合の取り合わせが心地よいこと、カスミ草を加えることで全体が調和することも発見できました。

生け込み当日は、会場の入れ替えに予定よりも時間を要したため、後ろに入っていた宴席の予定との兼ね合いで、30分で生け込みをしなければなりませんでしたが、
お稽古の際にイメージができていたことと、いつもながら花材との出会いにも恵まれ、迷うことなく集中することができました。

高槻 亮輔
花形 自由花


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こうして、自由花「皐月の煌めき」を出瓶したのですが、多くの方々が足を止めて携帯やカメラで撮影をされたり、自然と笑みを浮かべていらっしゃる様子を拝見し、
会場入口に設置されたこのコーナーの役割を少しは果たすことができたのではないかと思った次第です。

今後もインスパイア華道部でのお稽古を続け、国内外で池坊の素晴らしい伝統と生活文化を自ら広めることができればと思っております。

高槻 亮輔


posted by morikadou at 08:00| Comment(0) | 池坊いけばなLuxe リュクス
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