2014年01月11日

はななすの歌舞伎花暦〜第四幕『松』

こんにちは、はななすです。

新年あけまして、おめでとうございますexclamation×2

 昨年はいけばなを通じてたくさんの出会いと、機会を与えていただき、ありがとうございました。今年もいけばなを楽しみつつ、夢を叶えるための目標に向かって精進したいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたしますぴかぴか(新しい) 

 先日初めて、水仙の生花一種生けに挑戦しました。
決まり事や手順が多く緊張の連続でしたが、清々しい香りが漂い、楽しいひと時でもありましたかわいい

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 さて、年初めの「歌舞伎花暦」は、百樹の王『』をご紹介しますひらめき

 毎年お正月の歌舞伎座の前には、先の尖っていない門松が飾られます。
珍しい型ですが、これは「寸胴」と呼ばれ、歴史の古いものだそうです。

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 常緑樹のは、長寿を表し、神様も降りてくる縁起の良さであることは皆様ご存知のとおりですが、歌舞伎には「松羽目(まつばめ)もの」というジャンルがあります。
 これは、能や狂言から題材をとった演目の総称で、能舞台の羽目板に描かれているの絵を、歌舞伎の舞台背景にも使うことから来ています。
松羽目の前の緋毛氈を敷いたひな壇に、三味線や唄い手・笛や太鼓の演奏家が並び座り、その前で音楽に合わせ「勧進帳」に代表される歌舞伎舞踊や芝居が繰り広げられます。
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 「松羽目もの」以外にも、が印象的な役割を持つ歌舞伎があります。
菅原道真が主要人物の歌舞伎の中には『松王丸』という役があり、黒地に雪をかぶったの柄(雪持)の着物姿で登場します。
また『沼津』と呼ばれる歌舞伎では、千本松原の中での親子のせつないやり取りが涙を誘う、名場面があります。

 の深い緑は時に格調高く荘厳でもありますが、何気ない風景や庭木として舞台上によく登場することからも、江戸の昔には今よりもっと身近な存在だったことが伺えます。

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 1月は大阪で1座、東京では4座も歌舞伎公演がかかっていまするんるん
劇場の内外に日本のお正月らしさが溢れていますので、ぜひ気軽に立ち寄って、花木探しをしてみてください目

それでは、次回もお楽しみにexclamation

かわいいはななす

posted by morikadou at 01:08| Comment(0) | はななすの歌舞伎花暦

2013年12月07日

はななすの歌舞伎花暦〜第三幕 『仮名手本忠臣蔵』

こんにちは、はななす です。

11月は支部花展に初出瓶し、とてもよい経験になりました。
お越しくださった皆様ありがとうございましたぴかぴか(新しい)

そして森先生のご案内で、門弟の方々とともに京都の旧七夕会へも。
歴史の中に生き続ける池坊の「品格」の高さを体感し、得るものの多い旅となりましたるんるん

その後久しぶりに生けた生花は、以前より自分の理解度が増した気がしました。

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さて、思えば歌舞伎もいけばなと同じ京都発祥です。
今回は、先月から歌舞伎座でも上演中の三大歌舞伎の一つ「仮名手本忠臣蔵」をご紹介いたしますひらめき

皆様ご存知、赤穂浪士の討ち入りは今から310年前。
大坂で歌舞伎として初上演されたのは、その45年後でした。
しかし、同時代の事件をそのまま舞台にかけることは許されず、史実を元にサブストーリーを絡めつつ、時代は室町、場所は鎌倉、登場人物も全く別の名前が使われています。

では、大まかなあらすじをたどりながら、重要な脇役である花木を見てまいりましょう。

まず様式に則って幕が開くと、そこは鎌倉は鶴岡八幡宮。舞台の下手(左側)に銀杏の大木が黄葉をつけて聳えています。
この場面の季節は「如月」なので事実とは異なるのですが、昔から銀杏は鶴岡八幡宮の象徴であったことが伺えます。(大序)

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続いて「松切り」と呼ばれる松が話の鍵を握る場面(二段目)から、有名な「松の廊下」での刃傷(三段目)。

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そして、無念の切腹、城明け渡し(四段目)のあと、職場恋愛にうつつを抜かしたため主君の大事に居合わせられず、逃げるように旅路を急ぐ家臣のカップルの前に広がるのは、富士山を遠見に一面の「菜の花」と「桜の木々」であります。(道行旅路の花婿)

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その後夫婦となったものの、夫の仇討メンバー返り咲きのお金の工面のため、京の祇園町に身を売る妻。
そこで妻が手にするのは銀地に「秋の七草」の団扇です(七段目)。

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最後は、おなじみの火事装束に身を包んだ四十七士が、雪の降り積もる中、見事に仇討の本懐を遂げるのでした(十一段目)。
重苦しい話の中にも、花や木々が象徴的に現れては物語を彩り、四季の移ろいを感じさせてくれます。

仇討話の影で起こる、忠義と家族愛の狭間で苦悩する人々の心情は、今でも見るものの胸に響き、立ち揃う義士の姿には客席から歓声があがる名作です。
皆様も「切腹最中」を食べながら、忠臣蔵の世界を味わってみませんか?

それでは、これにて大団円グッド(上向き矢印)。また次回をお楽しみにグッド(上向き矢印)

かわいい はななす

posted by morikadou at 18:05| Comment(0) | はななすの歌舞伎花暦

2013年10月12日

はななすの歌舞伎花暦〜第二幕 『紅葉狩』

みなさん、こんにちは。 はななす です。
現在は新しい花器で、自由花の集中レッスン中です。
今年はまだまだ秋を実感できませんが、花材は蔓や実ものが増え、表現のアイデアが膨らみまするんるん

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〈花材〉ガーベラ、白りんどう、赤つる、トルコキキョウ、キイチゴ

さて、歌舞伎花暦の第二幕は歌舞伎舞踊 『紅葉狩』 をご紹介しますひらめき
台詞中心のお芝居仕立ての歌舞伎とは違い、三味線・鼓・笛などの和楽器の伴奏や、
季節の風情・物語を織り込んだ唄や語りに合わせて舞い踊ることが中心となる演目です。

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ところは信濃国戸隠山。
紅葉狩にやってきた平家の武将・維茂(これもち)はそこで、美しい更科姫に出会います。
勧められるがままに美酒を飲み、艶やかな舞姿を楽しんでいるうちに、
すっかり心地よくなり夢の中へ。
すると山神が現れ、更科姫こそ戸隠山の鬼女であるとのお告げが!
目を覚まし我に返った維茂は、姫の本性である鬼女を退治する。
というお話です。

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この演目の見所のひとつは、舞台いっぱいに広がる錦秋の光景です。
紅葉の枝葉が吊り飾られ、背景の山々は赤く染まり、野には菊が咲き乱れ、
中央には松の大木が存在感たっぷりに立ち、観客までもが
紅葉狩に来たような気分を味わうことができます。

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さらに更科姫の衣装は、秋をそのまま身に纏ったような、
赤地の振袖には鳳凰や流水に紅葉のあしらいと、菊の総柄帯。
両手に持って舞う扇子までも金地に朱模様が散り、
維茂でなくてもうっとりしてしまいますぴかぴか(新しい)

残念ながら最近の歌舞伎は、実際の季節にあった内容の演目が
かかるとは限りませんが、新しい歌舞伎座にはギャラリーが併設され、
四季と歌舞伎のつながりが展示されています。
現在は 『紅葉狩』 を中心に、
秋が舞台となる歌舞伎の雰囲気を間近に楽しむことができます。
観劇しなくてもワンコインで入場可能ですので、銀ブラついでに
立ち寄ってみてはいかがでしょうかグッド(上向き矢印)
季節の花草木が、歌舞伎に欠かせない表現のひとつであることを実感できます。

それでは、本格的な秋を心待ちにしつつ、今月はこれぎりにて次回をお楽しみにexclamation

かわいい はななす

posted by morikadou at 13:07| Comment(0) | はななすの歌舞伎花暦